コンサルタントの役割

1.スケジュール計画

  • 大規模修繕工事は、一般に調査設計着手から工事完了まで1年から1年半と長期の業務になります。設計着手時に全体スケジュールを作成し、毎月の委員会開催日と検討内容を予定します。毎月の委員会では全体スケジュールを見据え進捗を確認する必要があります。

2.調査診断・修繕設計

  • 建物は様々な修繕履歴を経ています。調査により現状把握と、居住者アンケートでの不具合傾向、修繕履歴を踏まえ、大規模修繕の工事提案(内容と概算工事費)をします。さらに快適な生活を行うためのグレードアップ等改修も検討します。
  • 工事内容の提案は「必ず実施する工事」「できれば実施したい工事」等、管理組合が判断しやすい提案書を作成します。

3.施工会社選定補助

  • 公平性を期し公募により募集し、応募会社の実績や経営状況等を審査し、見積会社を選定します。その後に見積依頼し、最終審査では見積金額とヒアリング結果により、施工会社を決定します。施工会社選定は、見積金額のほか、技術力や会社の信頼性などがポイントになります。また、審査や決定は管理組合がおこないます。コンサルタントは審査に必要な書類作成や助言までになります。

4.工事監理

  • 工事監理とは「管理組合と施工会社間で締結された工事契約どおりに工事が遂行されているか」「良好な品質で工事されているか」を第3者としてチェックする業務です。しかし監理者が全ての工事を100%チェックすることは現実にできません。100%チェックをおこなうのは施工会社の自主検査です。工事監理方法には「ポイント監理(1日程度/週)」から「常駐監理(5日程度/週)」がありますが、どの程度のチェックをおこなうかは工事内容により異なります。

5.分かりやすい説明

  • 大規模修繕工事は、修繕委員会や居住者説明会の限られた時間で理解して頂く必要があります。また、修繕委員会には、建築や修繕にあまり詳しくない方も多くいらっしゃいます。「分かりやすい資料」「分かりやすい説明」を心がける必要があります。

6.適正コストで良質な工事

  • 工事費は施工会社により異なります。昨今の社会情勢から「激安」や「格安」の言葉に魅力を感じている方が殆どでしょう。また官公庁工事も、原則、入札により最安値会社が受注します。管理組合も同様に安価な見積金額に惹かれると思われます。しかし安価で粗悪な工事では困ります。粗悪な工事は次の大規模修繕に影響する事もあり、長期的にはデメリットになる場合も考えられます。適正な価格で良質な工事をおこなう事が賢明な選択と思います。

7.住みながらの工事

  • 大規模修繕工事は、新築工事と違い日常生活のバルコニーや廊下・階段が工事場所になります。修繕設計では「居住者に配慮した低臭気塗装材料の選定」「低騒音工法の選定に留意した設計」「工事中のストレス軽減に配慮した設計」をする必要があります。